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 2018年12月13日(木)

第3回「家族志向のケア」

  • 2009年4月25日(土)
  • 閲覧件数
    3,768
家庭医療とは

医療の現場において、今まで落ち着いていた患者さんに急に不可解な症状がでてきたり、今までよく効いていた治療に急に反応しなくなる、といった場面に遭遇します。

例えば、働き盛りの糖尿病の患者さんの血糖コントロールが急に悪くなった、おじいさんに急に認知症のような症状がでてきた、子供の喘息が最近ひどい、などです。

このような時、家庭志向の医師は患者さんの家族や周辺の状況で何かトラブルが発生していないか、と考えます。

<家族志向のケア>

「家族志向」とは何でしょう?
家庭医療では、「家族志向型のケア」という概念があり、これは英語でいうFamily-Oriented Careの訳で、家族に焦点を当てた、もしくは家族を視野に入れたといった意味を含んでいます。
家庭医療に限らず、医療の現場において家族との関わりを抜きに患者とのやりとりを行うことはできません。

<家族間でのストレスが身体症状として現れる可能性がある>

前述のようなケースを家族志向で考えてみましょう。
たとえば糖尿の患者さん、最近奥さんと離婚したために精神的に落ち込んで酒の量が増えたりすれば血糖があがるかもしれません。

認知症のおじいちゃんのケースであれば今まで連れ添っていた奥さんが、急に病気をして入院して一人暮らしになったのかもしれません。
あるいは、喘息のお子さんであれば、ご両親の仲が悪くて喧嘩ばかりしていて、それをとめるために症状がでているのかもしれない、といった感じです(これらは全て実際にあった例です)。

<患者さん家族を治療のパートナーととらえ、治療に巻き込む>

このような場合、治療は薬ではなく、家族関係の修復であったり、家族間の役割の調整であったりするのがおわかりになるでしょう。
家族がどのように影響し、またどのような手助けを提供してくれるかを考え、必要なら家族カンファレンスを招集して、家族ぐるみで解決策を一緒に考えたりするお手伝いをするのも我々家庭医の大切な役割なのです。

京都協立病院 内科医長 玉木 千里

次回は「家族ライフサイクル」についての話です。