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 2018年8月16日(木)

日本家庭医療学会・指導医養成のためのWS・参加報告

  • 2009年8月20日(木)
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    3,909

6月28日東京で開催された、「日本家庭医療学会・指導医養成のためのWS」に参加しました。そのリポートを掲載します。 

たんご協立診療所
寺本 敬一

 

日本家庭医療学会・指導医養成のためのWS・参加報告
日時:2009-6-28(日)@東京大学図書館
    8:30-12:00
 
京都家庭医療学センター(KCFM)
     たんご協立診療所     寺本 敬一
 
1)GRIPEmodel を用いた慢性疾患プリセプティング
 (日生協家庭医療学開発センター 安来 志保先生)
 
   ⇔急性疾患のプリセプティング
      *5マイクロスキル
        ?考えを述べさせる ?根拠を述べさせる?一般論の説明
?ほめる       ?間違いをただす (+発展的な課題を与える) 
      *SNAPPS (Dr.Wolpher?)
        Summarize  3分以内のプレゼン、専門用語(医者っぽい)を使う
             Narrow    2-3の鑑別診断
             Analyze   可能性を分析、対照との比較
             Prove    
             Plan
             Select a case-related issue for self directed learning
   一方
        慢性疾患外来
       より簡単に見える?軽視されている?
         診断が付いている
         すでに治療されている
         緊急性なし
      ありふれている( bread and butter)
      慢性疾患に集中できないほかの問題をいくつも持っている人もいる
 
     新しいモデルの必要性
        5マイクロスキル、SNAPPSでは、慢性疾患のケアの必要不可欠な
       以下のような側面をカバーできない
          ・臨床ガイドライン
          ・疼痛マネジメント
          ・予防医療の介入
          ・患者教育
          ・終末期ケアのディスカッション、緩和ケア
⇒⇒GRIPEModel の提唱
Eisenhower Army Medical Center Dean A.Seehusenet.al
    STFM(society of teachers of family medicine)のHPのdigital resource
にも公開されているらしい
**********************
  GRIPEmodel を用いた慢性疾患プリセプティング
 
Guidelines and Goals(ガイドラインとゴール)
:このステップは、学習ニーズの評価である。以下の質問により指導者は学習者を
診断し、学習者がその疾患についてどのくらいよく理解しているかを判断できる。
   学習者は、その疾患に関するなんらかのガイドラインを知っていますか?
   学習者は、その疾患のステージングシステムをしっていますか?
   学習者は、この患者に対する個別のゴールを設定していますか?
 
 
Reflect on the patient (患者についての振り返り)
:3つのステップでケアスキルを評価する。ここでは、診断に焦点
   疾患がどのくらいよくコントロールされていると考えているか?
   その意見は、どのデータに基づいているか?
   患者に影響している心理、社会的な要因は?
   アドヒアランスは良好か? そうでないなら、なぜ?
 
Intervention介入
思考過程評価する。適切なマネジメントの方法をしっているかの判定
    治療法を変更したいと思っているか? それはなぜ?
    推奨した生活習慣は?
    追加検査? それはなぜ?
    患者教育に役立つ話題を提供したか?
 
Prevetion,Pain,Palliation(予防、疼痛、緩和)
:受診理由となっている当該疾患以外の重要な患者ニーズへの対応能力が学習者に
あるのかどうかを明らかにする
    必要な予防医学的介入やスクリーニングテストは?
    痛みがありますか? もしあるならどのように取り組んだか?
    緩和ケアの適応があるか?
    適切なタイミングで事前指示など終末期に関する問題に取り組んでいるか?
 
Effective Feedback(効果的なフィードバック)
:発展的なフィードバックを行い、鍵となるティーチングポイントを与える
    プレゼンと診療経過の良い特徴を褒めましょう。
    改善可能な事柄に対し自ら修正できるように簡潔で具体的なフィードバック
    少数のティーチングパールを与える
 
 
 
GRIPE Modelを使った感想  
   慢性疾患は、あまりプリセプティングされていない    
   思ったよりもガイドラインが知られていない
   患者ケアの意思決定は、ガイドラインに基づいていない
   予防医療はたいてい無視されている
   終末期、緩和についての議論はまれ
   GRIPの枠組みは、事前にレジデントに提示しておく必要がある。
 
3人組みで、ロールプレイを行いました。
   感想:3分は、かなり短い。やはり褒めるのは難しい。
 
その他 質疑応答から
   GRIPE Modelは、アメリカの保険制度メディケアの影響が推定される。査察が入るらしい。ガイドラインにしたがっているか、事前指示をどれくらいとっているかなど
   GRIPEすべてを、使う必要はない。切り口を変えてすこしづつでもよい。3分くらいで終わらせる。
        ⇔数カ月に一度は、慢性疾患の診療について、1時間ほどでも時間をとり、つっこんだプリセプティングをしても面白いかもしれない
   GRIPは、慢性疾患診療のモデルになりえるかも+Efefedtive feedback
   Pに polypharmacyを加えてもよいかもしれない
    
2)家庭医療後期研修におけるポートフォリオ作成の支援
(医療生協家庭医療学レジデンシ-・東京 日生協家庭医療学開発センター藤沼 康樹)
    ポートフォリオの定義     
 a purpuseful collection of student work that exhibits to the student(and/or other)the student's efforts,progress,or achievement in (a) given area(s).This collection must include studentparticipation in selection of portfolio contnt;the criteria for selection;the criteria for judging merit,and evidence of student reflection
ある領域における学習者の作業や進歩、達成を表現する学習者の仕事を目的意識的に
集めたもの。これは、ポートフォリオの内容の選択、選択の基準、判定基準、学習者の
省察に学習者自身が関わらなければならない。
 
Reckase,MD (1995)
Portfolio assesssment:a thoretical estimate of score reliability
 
後ろ向きにケースを探す内科学会の症例報告とは違い、あくまで前向き、進行形
学習、支援していく
 
 
家庭医に特徴的な能力の評価が最終目的
 もっともよくできた仕事内容をポートフォリオとしてまとめることを求められる。
   ⇒show-case portfolio
仕事をしながら振り返り、ディスカッションし、理論的に学び、次に良いよい仕事が
できるようにする。
   ⇒ongoing learning
ポートフォリオは、困難な事態に取り組みながら進歩を示す。
  ⇔reflective journal 日々の振り返りとは、違うもの。
 
ポートフォリオの内容
  力量を示すことができる
  レジデントが選択可能
  日々実際の仕事に根ざしている。⇒フィールドによって、違いがでてくる。
  指導医、レジデント+コメディカルスタッフの意見反映
 
  かならずしも、症例提示ではない。例えば、予防接種の啓蒙ビデオなど
      イメージは、アーティストの作品展示
 
  メニューは、常に眼に入るようにしておく 例えば 医局PCのデスクトップに表示
 
ポートフォリオ作成援助
  アウトカム、ポートフォリオメニューを常に意識して症例収集
  見つかりにくい場合は、戦略を立てる。
   ポートフォリオメニューに関する学習を定期的に行う。
    *Biopsycosocial approach古典的なEngelの文献、最新のRochesterの文献
    地域ケア WHO Solid Factsの文献 健康の社会的決定因子に関する
社会疫学  ⇒知らないので、読まねば!
検討会を数カ月おきに集中して行う。
 (東京では、2回の温泉合宿)
最終的にフォーマルな発表会、展示会を計画し、内外のステイクホルダーに通知、
招待する
 
カバーレターがとても重要!「なぜこの症例を選んだか」
 事例に関する省察=reflectionをまとめる
 以下の要素が含まれること
   *エントリー領域に求められる能力の基準となぜそれが家庭医に必要なのかに
ついての記述
   *事例がなぜその能力を示すことになるのかについての記述
   *その能力に関する今後の自分自身の課題の設定と向上のための計画の記述
 
ポートフォリオの評価基準
 各々のエントリー領域の定義と記述されなければない要素の記述
 必読文献、資料、サイトの表示
 ↓
評価基準の策定? 近畿のポートフォリオ発表会でも意見がでてましたが・・・
  研修医の思惑 「評価されたい、基準が欲しい!」
  指導医の思惑 「基準がありすぎると、自由な発想のポートフォリオが生まれ
      なくなるかもという心配あり」・・・・・・とはいっても、今後作るかもしれません、と。
 
また、質疑応答で
*ポートフォリオ作成過程であった研修医の成長について、指導医のコメントを加えて
もよいかもしれない
*エントリー領域はできるだけ絞るべき
*モチベーションの維持が重要
 
Biopsychosocial approach の指導について
 BPSアプローチの構成要素(ロチェスター大学 2003)
  ?eliciting the patient's story and life circumstances
    ?integrating the biological,psychological,and social domains
    ?recognizing the centrality of relationships in providing care
    ?understanding the physician
    ?focusing the model for clinical practice
    ?providing multidimensional treatment and optimizing management and treatment
 
   ?疾患、病い、患者背景、文脈の探求
   ?図示  因果関係は直線的でなく、多因子的に考察
         ?Relationshipcentered care:RCC(Pew Health proffesions commision 1994)
 
      4つの関係:
患者ー医師、医療者ー医療者、医療者ー地域(社会)、医療者ー自己
      チェックポイント
        *共有化した意思決定
        *正直で誠実な態度
        *ケアの視点
        *共感的なコミュニケーション
        *家族や社会生活上のネットワークを巻き込んでケア(コラボ)
        *スピリチュアル
        *ヘルスケアシステムとの関係
   ?観察者も、システムの内部に取り込まれている。傍観者ではない。
      自己への気づき、メタ認知
      振り返り(プロセスの事後的な言語化)⇒反省的実践家
       実践のための2つのポイント
         mindful practice
                           難しい患者、困難な医師患者関係への対応能力
 
          Mindful practice (Epstein RL JAMA 1999)
                                     attentive observation
                                     critical curiosity
                                   beginner‘s mind
                                     presence
 
まとめ
   “GRIPE” Model は、慢性疾患のプリセプティングに使えるかも?
   ポートフォリオの定義、その作成支援について深められた。
 
感想
SNAPPS model 勉強する必要あり。
BPSのRochester の 文献、
地域ケア WHO Solid Factsの文献 健康の社会的決定因子に関する
社会疫学 など 知らないことが多い!