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 2018年4月27日(金)

QI活動:初期研修改善アンケートの施行と実践のポスター発表

  • 2009年11月 4日(水)
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シニアレジデント1年目の中村琢弥です。
2009年3月よりQI活動として私が関わった「初期研修改善アンケート」活動について、2009年10月30日に開かれました「第8回臨床研修交流会」にてポスター発表を行いましたので、それらの活動報告を行います。

タイム24ビル

2009年10月30日、東京のタイム24ビルにて、「第8回臨床研修交流会」が開催されました。これは全日本民医連と日生協医療部の共催の集会で、そのメインテーマは「これからの初期研修・後期研修」として、現在の研修制度と各施設の研修内容についての取り組みなどを広く発表・交流するものでした。私は今回、「初期研修の改善」についてのポスター発表をこの会にてさせていただく機会をいただきました。

今回の私の発表テーマは「初期研修改善の鍵は初期研修医にあり!~初期研修医主体の初期研修改善アンケートの実施報告と提言~」というもので、私が初期研修医時代から現在の家庭医療学シニアレジデントにかけて活動していた内容のものです。

振り返ること約1年半前の2008年3月、私が初期研修医だったころです。私達初期研修医達の間で「とある議論」が交わされていました。それは「初期研修医の意見は正しく聴取され、研修内容に反映されているか」というものでした。そのとき、私の先輩にあたる研修医は「研修医からの意見聴取が不十分だ」と、研修医の真意を聞く努力の不足とその大切さを訴えておられました。しかし、結局その先輩医師は十分に意見を言う機会もないまま、初期研修を終え、病院を去っていくこととなりました。

残された私をはじめとした研修医は、「これではいけない」と考えました。そして、その1年後の2009年3月に、私達初期研修医が主体となって「研修改善アンケート」を作成しました。アンケートは自由記載の匿名式、ローテート科毎に作成し、さらに事務やスタッフなどの周辺環境についての内容も含む多角的な内容としました。さらに「改善」の名が指すように「何が悪かったか」ではなく、「どうすればさらによくなるか」という文章の言い回しに気を遣い、より発展的な意見が出るように工夫しました。

アンケートは2009年3月に施行され、初期研修医10名全員から回答を得ました。結果としては意見が本当に多岐にわたるので割愛しますが、多くの建設的な意見が回収され、それらを研修管理部署に提出し、それを踏まえた研修改善が順次行われることとなりました。またその後に開かれた「研修内容についてのシンポジウム」では、初期研修医代表として私も発表することとなり、このアンケート内容の浸透に努力しました。

長くなりましたが、以上の活動内容の集大成として、今回東京にてポスター発表を行ったことになります。ポスターについては、前回の家庭医療学会にて培った一枚刷りのポスターのスキルを用いて、1枚の模造紙サイズのポスターを作成しました。レイアウトにも非常にこだわったポスターは、周囲からの評価も高く、多くの方々から「これ、どうやって作るんですか!?」との質問をいただくなど、かなりの注目度があったのではないでしょうか。

ポスター発表としては、今回もビデオ撮影しましたので様子をみていただくことができます。

▼をクリックしていただくとポスターをご覧いただけます。
ポスター「QI活動:初期研修改善アンケートの施行と実践」 PDFファイル650KBリンク

やはり人前で話し慣れていないこと、7分間とせかされていることもあり、噛んでしまうところもあれば、「あー」とか「えー」とかの発言が混じってしまうところもあり、反省点はそれなりにあるのですが、それでも前回の学会時よりは堂々と発表できるようになったのではないかと思われます。ポスターの優秀賞をいただくことはかないませんでしたが、今回の活動は私のプレゼンテーション能力などの成長にとって非常によい機会であったと思っております。

総じて振り返りますと、今回の活動は、「QI活動」というジャンルになるかと思われます。QIとは、Quality IndicatorとQuality Improvementの略で、「医療の質の指標・質改善への取り組み」を意味します。この方面の能力も家庭医を志すなら必要とされる能力のひとつであると考えます。特に診療所レベルでの診療を行うなら、医師が医学面以外にもリーダーシップを発揮していかねばならないシーンも多く存在し、診療所の診療の質をアップさせるシステム構築もまた家庭医としての欠かせない使命だろうと考えるからです。比較的身近な「初期研修」というものを題材に、「QI活動」に従事出来たのは今後の将来に生きる活動であっただろうと自負しています。

反省点としては、今回の活動の結果、変化した点の評価が不十分なことがあります。今後この評価などを継続的に行うことが出来れば、今回の活動はさらに深みを増すことになるでしょう。また私自身が「QI活動」の基礎をあまり習熟しないままに活動していたため、他によりよい方法はなかったかという吟味が足りないという点もあります。これは今後幅広いジャンルを学習して、第二、第三のQI活動を行う際により洗練されたプランニングを行えるようにしたいと考えております。

報告は以上です。今回の報告を読んで、誰かが初期研修改善、及び家庭医(シニアレジデント)の行うQI活動に興味を少しでも抱いていただけたら幸いです。