RSS2.0フィールド

RSS2.0フィールド

Multilingual Translation

QRコード

QR code

オンラインユーザ

ゲストユーザ: 2

 2018年4月26日(木)

「総合評価加算に係る研修」

  • 2013年3月10日(日)
  • 閲覧件数
    7,877
玉木です。
先日、「総合評価加算に係る研修」なるものに参加してまいりました。
ご存知のように平成20年度の診療報酬改訂から、入院中1回に限り75歳以上の患者に加算がとれるようになりました。その後診療報酬の見直しで加算対象者も65歳以上に拡大され、さらに平成24年度の改訂よりこれまで50点であったのが、100点に上がりました。
加算取得の要件として、測定結果に基づく評価を行う医師は所定の研修を修了している必要があり、日本老年医学会がバックアップし、全日本病院協会が主催で持たれた研修会です。
ちなみに今回の参加者は北海道から沖縄までの医師200名以上でした。
以下、詳細な報告です。
 
【日程】平成25年2月23日(土)-24日(日)WS 
【場所】TKP大阪梅田ビジネスセンター
【講師】老年医学会所属の京大、阪大の老年科の医師中心に順繰りに講演。ファシリテータ含め講師は20名程度
 
【スケジュールと内容】
初日 座学(1講座40分×13コマ)
オリエンテーション(国立長寿医療研究センター内科総合診療部 遠藤英俊)
高齢者総合的機能評価概論(国立長寿医療研究センター内科総合診療部 遠藤英俊)
高齢者在宅医療(国立長寿医療研究センター 内科総合診療部 遠藤英俊)
高齢者の生活習慣病対策(京都大学 探索医療臨床部 横出正之)
高齢者の口腔ケア(国立長寿医療センター 歯科口腔先端診療開発部 角保徳)
高齢者疾患の診断(大阪大学 老年・腎臓内科学 楽木宏実)
高齢者の薬物療法の指針(大阪大学 老年・腎臓内科学 楽木宏実)
高齢者の検査値の見方(医療法人老友会 さいわい病院 若月芳雄) 
高齢者の栄養評価と栄養療法(医療法人老友会 さいわい病院 若月芳雄)
高齢者の画像診断(大阪大学 老年・腎臓内科学 神出計)
高齢者のリハビリテーション(大阪大学 老年・腎臓内科学 神出計)
高齢者の神経・精神症状とその対策(京都大学 東南アジア研究所教授 松林公蔵)
高齢者の終末期医療(京都大学 東南アジア研究所教授 松林公蔵)
 
2日目 ワークショップ(1時間50分のWS×4コマ)
高齢者総合機能評価計画の作成
高齢者薬物療法
事例検討1
事例検討2:認知症のある
 
 
【初日の内容、メモ】
<CGAと加算: 国立長寿医療研究センター内科総合診療部 遠藤英俊 >
現在、全国にはMCI含めると認知症患者が700万人
胃瘻患者全国40万人
長寿研究センターでCGAの際に調べたら2割に耳垢塞栓あり
国としては一般病院で認知症を断らないオレンジプランが検討されているが、在院日数などで問題も多い。
総合評価をすること自体の電カルが普及した現在はそれほど問題にはならないだろう。ネックになるのは患者家族への説明とその記録を残すこと。
あとは誰がやるか、という問題。→当院だとキーマンはやはりよりそいさんだろう。
ちなみに国立長寿医療研究センターでは、看護師がCGAをとるとのこと。また、同施設では退院前カンファレンスは年250件。→当院は?
お年寄りは最近は必ずしも自宅でなくなりたい、と思っていない。
リバスタパッチはIADL障害に効く?
CGA7はやや認知症に偏重
歩行速度を尋ねる方法「青で信号を渡りきれるか?」
時事問題を尋ねるといい
 
<在宅医療:国立長寿医療研究センター内科総合診療部 遠藤英俊 >
キーワードは地域包括ケア、医療福祉連携
在宅支援診療所の医師およそ1000人
施設からくる人は、疥癬、褥瘡、MRSAは要注意
医師一人で年間20人看取りが限界
介護認定に40人 在宅看取り平均20日
ケアマネ介護系が8割、終末期は医学管理に通じた看護系の方がやりやすい
在宅医療をやるときは、自治体や県と組むとお金が入る。
 
<生活習慣病:京都大学 探索医療臨床部 横出正之 >
2008 NEJM HYVET研究:高齢者でも BP150/80mmHgまで下げることは有益
 
<口腔ケア:国立長寿医療センター 歯科口腔先端診療開発部 角保徳 >
ノルバスクの死肉増殖症
ワーファリンによる口腔内出血
BP剤の骨炎症、抜歯後の腐骨。BP剤投与前には歯科受診の徹底し、投与前に抜くべき歯は抜いてもらう
リウマトレックスの口内炎
86%の病院が無歯科医村
歯周病と血栓の可能性
口腔内雑菌から菌血症?マクロファージ食す?TNF↑?インスリン抵抗性↑?DM??
歯を磨くと咽頭も綺麗になる
口腔ケアシステムの実践ビデオ上映あり。手に入る?
要介護者の口腔ケアパンフレットPDF。WebからDL可
 
<画像診断:大阪大学 老年・腎臓内科学 神出計 >
セイントの三徴候:胆石、ヘルニア、憩室
ラクナ梗塞:通常は1.5cm未満
ビンスワンガー:認知症+錐体路および錐体外路症状あり
 
<高齢者の終末期医療:京都大学 東南アジア研究所教授 松林公蔵 >
Disease(疾患) ⇔ cure
Illness(病い) ⇔ healing
Sickness(病気) ⇔ 復権
認知症を描いた小説:恍惚の人 1972年有吉佐和子。この時代は認知症がまだ認知されていなかった。高齢化率もわずか8%だった。
マズローの欲求段階
新宮秀夫(京都大学名誉教授)の幸福の4階建て論:
1階:人間の本能的な「快」、2階:獲得した「快」を永続させる、3階苦難や悲しみを経験し、それを克服する、4階:克服できない苦難や悲しみの中に、幸福がある
EBMからValue based medicineへ
 
【2日目(ワークショップ) の内容、メモ】
2日目は、10人ずつのグループに分かれてSGD。
SGDは3枚つづりの短冊に自分の意見をかいてどんどん回していき、最後はそれをバラバラにしてKJ法する、という手法。3枚綴りは初めてだったが、他者の意見を見ながら自分の意見を言えるところがユニーク。場面によっては有効だという印象をもった。
 
<WS1ケース>
AFがあり、ADの診断を受けた81歳独居女性。心不全症状出現し、受診。
SGAにて、GDS4/15、MMSE20/30。
薬剤遵守の問題と地域包括ケアが問題となり、ステークホルダーでカンファレンスを開いて今後のケアについて検討。
ディスカッション・テーマ:?高齢者における地域連携の現状と課題は??地域連携の充実に必要な対策は?
<SGDディスカッション内容>
独居、認知症、老老介護世帯が多く、返す場所がない。ケアに携わるマンパワー(高齢者専門家の養成)不足(ソフト面)。老健や療養病棟、コミュニティなどのハード資源も限られている。
院内での他科、また地域のCMなどの医療者とのコミュニケーションが課題
行政がしっかりやって箱物を用意してくれないと今後の高齢化社会と医療経済がうまくいかない
療養病棟や老健に入るときにやめて問題になったケース:アリセプト、EPO剤、乳がん治療薬(高価)、抗パーキンソン剤、プレドニゾロン(RA+IP、IP増悪)、プレダール(心拍↓)、
個人情報保護法⇔個人の医学情報の共有化の問題。しかし、地域で情報共有して不足の事態でも適切な処置ができるように、というのが全体の流れ。自治体によってはカードを導入しているところも。
全国的のケアマネの出自分けは、看護系が2割、介護系が8割。これだけ高齢者の病態が多様化、重症化している中で、介護系のCMが担当になるとトラブルが起こりやすい。
しかし、給与面で考えた場合、CMのインセンティブは低く、NSがCMをやりたがらないのはいあわば自然の摂理。
<感想>
「行政がしっかりしてくれないと困る!」「我々ではどうしようもないこと」という意見が結構多かったのに驚いた。確かに現場での困っていることのシステマティックな部分は行政に頼らざるおえないが、行政ばかりに責任を押し付けて文句を言っても仕方がない。「どうすれば行政が動いてくれるか?」という建設的な意見をしていかないとならないのに。
テーマが抽象的なのと、KJ法という手法がこの議論にフィットするか、という疑問が残った。
 
<WS2ケース>
服薬不良の多剤服用78歳男性
5年前に妻をなくし、ひとり暮らし。
CGAで、Barthal Index100/100, ADL:Lawton Body 6/8, MMSE22/30、HDSR20/30, GDS4/15, Vitality Index10/10
ディスカッション・ポイント:?高齢者の薬物療法で問題となる点は??高齢者の薬物療法に必要な対策は?
<SGDディスカッション内容>
やはり他科の医師からの処方内容を変更するのは誰しも抵抗がある。特に整形や外科の先生方が内科の処方はかえづらい。そんな中、総合医養成の声を挙げる人もちらほら。
<感想>
当院で言えば、ほぼ外科と内科のみなので、患者の安全をより尊重してもっと踏み込んだ処方の単純化に尽力すべきと感じた。
私自身、これまでも処方の単純化、少数化を意識していたつもりであったが、「まだまだ甘い。もっとできる」と率直に感じた。
当院の院内薬局は、そういった意味でも少数で制限も多い中、患者側にたった良いサービスを提供していると感じた。(一包化、お薬手帳交付など)
 
<WS3ケース>
?91歳女性 多発性脳梗塞などで寝たきり。おむつ交換時に左大腿骨部の腫脹発見。前日入浴時に拘縮した膝を進展しようとした時に発症した模様。
?83歳女性 脳出血後遺症などで寝たきり。要介護5。入浴後右上腕部に主張あり。その後対側上腕部に再び腫脹。いずれも骨折。
転倒既往のある患者において、病歴、身体所見、機能評価より想起される病因状態をあげ、それについての評価法、鑑別診断をあげよ
 <SGDディスカッション>
転倒の原因は基本は退行病変を基礎に老年症候群に伴う諸症状が絡む。
ヒッププロテクターは一応効果あるというリハ科の先生のご意見。
 
<WS4ケース>
88歳女性 2年前までは活発だったが、その後閉じこもり。会話もせず、感情の表出もなし。息子は県外。心配して本人を連れてきた。
身体所見、検査上は大きな問題なし。
CGAでADL100/100、手段的ADL(老研式)5/14、MMSE11/30、GDS15 10/15
ディスカッション・ポイント:患者、家族への説明用紙を作成してください。
<SGDディスカッション>
認知症をベースに、うつ発症が疑われる。入院して、一旦ドネペジル投与。リハビリもしましょう。
 
【アクションプラン】
とりあえず、加算をとれる準備を。よりそいさん、リハと協働。
薬の少数化、単純化へのもっと踏み込んだ介入を。それと他医への啓蒙。
登録医の要件に院内研修会の開催も義務付けられているため実施せねばならない。
以上