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 2017年12月18日(月)

第25回 学生・研修医のための家庭医療学夏期セミナー セッション開催報告

  • 2013年8月17日(土)
  • 閲覧件数
    1,337

KCFMの玉木です。
8月10日?12日に開催されました第25回 学生・研修医のための家庭医療学夏期セミナーに参加し、8月10日にセッションを実施しましたので、報告します。
今回のテーマは「教科書には載っていない ナラティブ・ベースト・糖尿病診療」としました。

なぜこのセッションをしたか?
このセッションをやりたいと考えた背景には、慢性疾患をかかえる患者の中でも特に糖尿病をかかえる患者さんには、深い物語が潜んでいる可能性を感じていたからです。「自覚症状が乏しくても合併症が進行する可能性があり、将来的に失明や透析導入に至るケースもあること」、「血糖改善のための行動変容が特に求められること」、「自己管理が普段の食事とも密接に絡むため、日常生活への影響が大きいこと」、「またその事実を理解すること、受け入れることは一般の患者さんには大変むずかしいこと」、「内服だけでなくインスリンといった治療手段があり、それを受け入れることや実施には高いハードルが存在すること」、「自己投資とはいえ経済的には負担を強いられること」「家族歴が関与すること」などがそう考える理由です。

セッションの概要
参加者は大学2年〜6年生、初期・後期研修医、看護学部、薬学部、鍼灸師などの多様なメンバー総勢20名に参加いただきました。1グループ5人、4グループに分かれていただきました。
1.アイスブレイク
これまでの人生で一番ハラハラドキドキしたことを共有していただきました。
2. 寸劇
インスリン治療に抵抗する患者さんと医師のやりとりをKCFMスタッフが熱演
3. SGD1
先ほどの寸劇をみて、患者さんがどうしてインスリンを嫌がるかについての物語をグループごとに想像してもらい、後に発表してもらいました。また、各発表には、参加者全員に点数をつけてもらい、最後に得点合計の上位2チームに記念品をお渡ししました。
4. 座学
(ア) 糖尿病患者は現在増えている。糖尿病性の透析患者は増えている。糖尿病専 門医は患者数に比べて少なく地域差もあるため、家庭医には糖尿病を診るスキルが求められている。
(イ) 糖尿病ガイドラインが制定されており、糖尿病患者さんには血糖やHbA1cには目標が定められている。さらに併存する高血圧、脂質異常などについても厳しい管理が求められている。
(ウ) 実際の治療アドヒアランスは高くないという各国のデータ。これは生物医学モデルの限界の表れではないか。心理社会モデルとうまく融合した診療体型がこれからのパラダイム。ナラティブ・アプローチは患者を主体として、その物語を共有し、これからの治療物語を患者と医療者が一緒に紡いでいくというアプローチ。
(エ) 患者の物語を実録したデータベースDIPEXの紹介
(オ) 15歳で1型糖尿病に罹患した少女を主人公にした書籍「糖尿病 こころの絵物語」を紹介
5.インタビュービデオ
実際の患者さんに鈴木正毅先生の「私の糖尿病物語」を用いてインタビューを実施したビデオ・クリップを上映。
6.SGD2
先ほどのインタビューを見て、この患者の価値観、信念、不安はどのようなものであったかを議論。そして、どうしてナラティブ・アプローチが今重要とされているのかについての議論。
7.まとめと表彰
NBMアプローチのまとめと、SGD1の創作物語の表彰と記念品贈呈を行った。

セッションを終えて

感想文を見させていただいた限りは、全体的にも個々についても概ね満足していただけよう。また、「最も印象に残った内容は?」という問に対して、インタビュービデオや絵本、DIPEXなど多様なご意見をいただけたのも、いろいろなツールを用意して受講者の心に揺さぶりをかけることができた結果の反映として肯定的に受け止めた。一方で、ボリュームが多くなったために、寸劇の後編を披露することができなかった。そちらについても「見たかった」というご指摘をいただいたので、全てが時間内に収まるように工夫することが課題。

next step
・感想文で、学年、職種と難易度についての項目を入れ忘れたので、次からは入れる。
・ご指摘にもあったとおり、タイムマネジメント。減らすとすれば座学のボリュームか。