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 2017年12月18日(月)

京丹後市地域診断-家庭医療学地域診療所研修の取り組み

  • 2013年10月15日(火)
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瀧本しおりです。今回第11回全日本民医連学術運動交流集会で京丹後市地域診断の発表を行いましたので、その報告をします。

2013年10月4日に札幌で開催された第11回全日本民医連学術運動交流集会で後期研修2年次の総括でもあるたんご協立診療所での「京丹後市地域診断」 を発表しました。

発表までの経過
2年目の京丹後市にある研修施設であるたんご協立診療所はいわゆる医療過疎地である。一つの地域で継続的に働く際に地域診断は核となる行為であり、家庭医が住民ニーズに基づく自己学習を行う際の内的動機付けとなる。地域診断の目的は1、具体的な健康問題を知ることで、地域住民の長期的視点での健康改善を図る。2、医療、福祉以外の分野が個人の健康に影響を及ぼしていることを知り、連携点を探るために取り組みを始めました。地域診断は根拠に基づいた健康政策、公衆衛生を展開するうえで対象となる地域の観察や保健医療統計を通して地域毎の問題、特徴を把握する作業です。対象集団への介入のない記述疫学でもあります。
 第1回目の診療所ワークショップは2013年1月7日に診療所職員と指導医、研修医、京丹後市保健師で研修医師の提起した健康問題について早急に介入する点、今後介入する点にわけ、計画をスモールグループディスカッションし、発表した。事前に住民、診療所職員、保健師へアンケートを配布し、回収。研修医師はアンケート結果からコメントに挙がる地点を観察に行き写真に記録し、自身もアンケート記入した。アンケートカテゴリーは観察部分と統計部分に分かれる。厚生労働省、総務省、京都府の統計データーを収集し健康問題をアセスメントした。
第2 回目は2013年2月に京都民医連学術運動交流集会で京都市内の関連医療機関職員への発表を行った。第1回目のワークショップを基に発表しました。1不足している科について。2人口、老年人口、保健師の現状、数。2肝細胞癌が多いことの分析。肝炎ウイルス被害なら保障のため行政との連携が必要。外来での問診で疫学由来のデーターを把握して行く必要あるのではと会場から質問や意見が出ました。
第3回目に2013年3月に後期研修2年次の研修総括でアンケート協力者である住民、診療所の訪問看護師へも内容をフィードバックした。その後、保健所に宛てて最終にまとめたスライドをアンケート協力していただいた保健師さんへ送付した。
今回の発表は日本全国の様々な地域から日常の医療活動について発表する機会でした。発表は診療所の活動部門で行いました。
発表内容に関する質問は1地域診断は家庭医療研修でどのように役立つか。2地域診断を行うことで地域や診療所医療で変化したことはあるか。3地域診断を医療状況の違う都市部で行う際にどのようなことに注意する必要があるか質問がでました。
それぞれに対し私は以下のように答えました。1については地域の具体的な健康問題から研修医師が要求される知識、技術、態度を知ることができる。1年間という研修年限でこのフィールドで学べる課題が事前に明らかになっていることは学習者にとって有益です。2については保健所から依頼の勉強会が増えている。3については今回一人で作業を行った為、不十分な分野があった。全分野についての統計データーと健康問題アセスメントが必要なため、スタッフで分担して行い、一人で行わない。何人かが関わることで偏りのないアセスメントができる。また今回は介入計画を討議する段階で終わっている為、1回きりで終わらせないで、継続して健康問題に対する介入計画、実行、評価を行えるように診療所スタッフや研修指導医師、研修医で引き継いで深めていく視点が大切です。地域診断は自分の働くフィールドに応用できます。これをもとにニーズに応じた臨床研究のテーマも明らかになるでしょう。プライマリケア連合学会誌2013年9月号掲載の英国家庭医療学会のRoger Neighbour 氏の講演で私は「評価が学習を駆り立てる。実績が尊敬を駆り立てる。協働が改善を駆り立てる。」という言葉が心に深く残っている。日本で家庭医療が広まり、根付いていくには日本全国にいる先生達の取り組みから始まると思う。地道な長い道程ではあるが、いろいろな人たちとの協力や日常のコミュニケーションを大切にしてきたいと今回の取り組みで感じました。



参考文献
1)コミュニティアズパートナー地域看護学の理論と実際
第4版
医学書院University
of
Texas
medical
Branch
133 エリザベ
スT.アンダーソン
ジュディス•マクファーレン
監訳
金澤克子早川和生
2)地域診断のすすめ方
根拠に基づく生活習慣病対策と評価
第2版
医学書院
水嶋春朔