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 2018年9月25日(火)

2018年2月17日 KCFMセミナー報告

  • 2018年3月 4日(日)
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上記日程でセミナーを開催しましたので、報告します。今回はアドバンスケアプランニング(ACP)をテーマに学習を行いました。
日常臨床の中で、大きな病気が発生してから、急変時はどうするのか、食べられなくなったらどうするのか、行き先をどうするのか、迷う患者や家族が多いと日々感じています。『こうなってから考えるのはみんながつらい』と率直に思うことがとても多いのです。
病気を持っていたとしても、患者さんの人生を幸福なものにするため、医療や療養について本人、家族、医療者が少しずつ話し合いを進めていく。そのプロセスがアドバンスケアプランニングです(日本老年医学会)。これを少しでも多くの医療介護者に意識してほしい、との思いから今回のセミナーを開催しました。一人ひとりの医療介護者が、患者さんの人生における最善のケアを考え、患者さんや家族と話し合っていけるようになればと思います。
 

表題:アドバンスケアプランニング(ACP)って何? ?高齢者医療の必需品?
日時:2月17日(土曜日)15時-17時
場所:京都民医連第二中央病院 1期棟3F 多目的ホール
参加者:医師 看護師 ケアマネージャー グループホーム職員 事務 医学生など20名

目標:患者さんへのACPを始める 
ACPのための項目シートを作る

スケジュール
・ 自己紹介+SGD(20分)「終末期と聞いたらいつからを想像しますか?」
・ レクチャー(15分)「アドバンスケアプランニングとは何か?」
・SGD(30分)「この患者さんのACPを考えてみよう」
・SGD(20分)「ACPのシートを作ってみよう」

最初のディスカッションでは、それぞれの考える「終末期(人生の最終段階)」を共有していただきました。「いつからを最終段階と言うのか」は予想通り非常に多様であり、個々の経験や価値観が反映されています。それだけ一般化するのが難しく、患者さんに対して問いかける時期もとても難しいと感じます。

次のディスカッションでは、私の経験したケース(末期の悪性腫瘍患者さん、末期腎不全の高齢認知症患者さん、認知症終末期の患者さんなど)をシナリオにして、患者さんに適した医療介護プランを考えていただきました。これを通じて、私自身も反省し、学習を深めることができました。多職種で話し合う重要性を改めて実感しました。

今回のセミナーでは、今後の診療に活かせるもの(=プロダクト)を作成し、共有したいと考えました。そこで最後のディスカッションでは、アドバンスケアプランニングにおける項目シートを作ることを目標にしました。内容は【どんなことを本人 家族に聞くか】です。もちろん完全なものではありませんし、タイミングや言葉の選び方など、課題はたくさんあります。それでも、参加された皆さんのおかげで貴重なプロダクトができたと思っています。今後も継続して学習を行っていきたいと考えています。

良かった点
・ 系列事業所の医師、看護師、ケアマネージャーだけでなく、グループホーム職員や医学生にも参加してもらえた
・ 日常臨床につなげられるようプロダクトを作成した
・実例をもとにディスカッションをしたので、議論しやすかった

改善点(Next step)
・ 最後のディスカッションは時間が短かった(20分というのは無理があった)
⇒プロダクトを作るにはもう少し時間と工夫が必要
・ディスカッションの時は司会と発表者を決める
・ シナリオでは、情報を段階的に提示したほうが医療介護ケアを考えやすかった
・ 写真を撮ってなかった
・ プロダクトをその場で共有したほうが良い(出た意見をまとめて前に出すなど)
・ 最後のディスカッションがやや尻すぼみ プロダクトがあいまい
・何か参加者が持ち帰れるものを用意する(ガイドライン 議論した内容 他の院所で使っているものなど)


ディスカッションで出されたプロダクトを記載します
ACPの項目シート(どんなことを本人 家族に聞くか)
■事前指示書に含むべき内容
・急変時どうするか 延命治療をするか  ・酸素をどうするか
・どこで最期を迎えたいか        ・どのように最期を迎えたいか
・代理決定が必要なとき誰にしてほしいか(キーパーソンを誰にするか)
・食べられなくなった時どうするか(胃ろうや輸液をしたいか)

■価値観や人生観について聞いておくべき内容
・どんな人生を歩んできたか  ・どんなふうに暮らしていきたいのか、生きたいのか
・どんなことをしたいか(あるいはさせてあげたいか)
意思決定できなくなった時や、思うように動けなくなった時も含めて
・家族図、家族関係      ・経済状況はどうか お金があればどう使いたいか
・価値観や宗教はどうか    ・大きな病気w告知してほしいか、予後を知りたいか
・できるだけ在宅で過ごしたいのか、あるいは施設で過ごしたいのか


■これらを聞くときに心がけること
・急変を話題にするときは「(世の中には一般に)突然死もありうるよ」と伝えたうえで
・意思は変わるという前提で、どうしたいかを聞く
・伝えられた内容をどこまで理解しているか、を確認する
・(希望について)なぜそう考えるか、の根拠を聞く(人生観や死生観を含めて)
・友人や親類が病気にかかり、その話題が出たタイミングで聞く
・『かきかえ』⇒家庭医療学における解釈モデル を利用する