2019年2月22日(金)
<医学の進歩と生物医学モデル>
家庭医の起源は古代ギリシャの時代にさかのぼります。
このころはシャーマン(祈祷師)とよばれる人物が現代の医者と同じような役目を果たしていたといわれています。
もちろん内科・外科の区別などありませんでした。
人はみな家族を持ち、考え方や価値観、そして行動に至まで家族メンバーから少なからぬ影響を受けているものです。
そして、家族は人の健康にも影響することが知られています。
家庭医は、患者さんが医学的にすっきり説明のできないような症状をお持ちの時、あるいは診断がついて治療を行っていてもなかなか良くならないような時は、家族ライフサイクルに変化が起こってないかに注目します。
この家族のライフサイクルに目を向けることで病気をより良く理解できるだけでなく、問題を解決するための糸口が見つかることがあるのです。
医療の現場において、今まで落ち着いていた患者さんに急に不可解な症状がでてきたり、今までよく効いていた治療に急に反応しなくなる、といった場面に遭遇します。
例えば、働き盛りの糖尿病の患者さんの血糖コントロールが急に悪くなった、おじいさんに急に認知症のような症状がでてきた、子供の喘息が最近ひどい、などです。
「家庭医療学」では、「患者中心の医療」を提供するように教えられます。 そして、患者中心の医療を行うことで、患者さんの満足度を上げ、同時に医師の満足度を高め、医療訴訟を減らすことにつながることが研究でも証明されているのです。
みなさまは今まで医療機関にかかったとき、「この問題は、私の専門ではありません」と話も聞いてもらえなかったり、「病気と心の葛藤を区別した対応を受けてどうも納得がいかない」といった体験をお持ちになったことはありませんか?